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【小説】『流浪の月』凪良ゆう / あらすじ&感想

【小説】『流浪の月』凪良ゆう / あらすじ&感想
Haru
Haru

“愛ではない。けれどそばにいたい。”

本屋大賞2020年受賞作。
本当に素敵過ぎる作品です。

この記事を書いた人
みての

年間100作品くらい本を読むサラリーマンブロガー
暇があれば書店・古本店へ行く為、読むペースより買う本の方が圧倒的に多い供給過多状態。
それでも本を買うのが至高過ぎて止まりません。
すごい勢いで積読本が増えていきます。誰か助けてください。

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『流浪の月』概要

『流浪の月』

タイトル:流浪の月
著者:凪良ゆう
出版社 単行本:東京創元社 2019年8月30日 314ページ
    文庫本:東京創元社 2022年2月25日 356ページ
読んだ本:文庫本 2022年2月25日…初版発行分

あらすじ

最初にお父さんがいなくなって、次にお母さんもいなくなって、わたしの幸福な日々は終わりを告げた。すこしずつ心が死んでいくわたしに居場所をくれたのが文だった。それがどのような結末を迎えるかも知らないままに――。だから十五年の時を経て彼と再会を果たし、わたしは再び願った。この願いを、きっと誰もが認めないだろう。周囲のひとびとの善意を打ち捨て、あるいは大切なひとさえも傷付けることになるかもしれない。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。本屋大賞受賞作。

引用元:東京創元社

主な登場人物

家内更紗…主人公。9歳のときに誘拐事件の被害者となり、10歳のときに広く世間に名前を知られることに。
佐伯文…少女誘拐事件の加害者として逮捕された当時19歳の大学生。
安西梨花…更紗の同僚・安西佳菜子の娘。
中瀬亮…更紗の恋人。

『流浪の月』感想

読んだきっかけ

私の大好きなYouTubeチャンネル『ほんタメ』さん「【小説紹介】つい止めたくなってしまう恋愛ってあるよね」回。この動画内の齋藤明里さんのあらすじ紹介だけで読むしかないでしょ!と思い読みました。

ルール

更紗と生活を共にする佐伯文。19歳当時の彼は、育児書に載っていないこと=レールを外れたよくないこと、という認識が強い人でした。例えば、ラーメン屋さんに一度も行ったことがない。理由としては“材料に何が使われているかわからないし、不潔”だから。わかる〜!私の場合、割と適当な家庭に生まれたのでそのへんのルールってガチガチではありませんでした。しかし、いざ結婚して子どもが生まれてコロナ時代を生きて……。それから根付いた2020年以降の価値観なのですが、飲食店に行くことがなくなりました。元々はコロナ予防だったのですが、今現在でも足を運ばない原因としては「不潔」に感じるから。確かに、材料に何が入っているかわからないですし、普通に外の掃除したりトイレに行くときにもつけていたエプロンのまま、料理を作る・運ぶというのにも嫌悪になってしまったんです。もちろん、徹底して衛生管理に気をつけている飲食店も多いとは思います。ですが、一つ気になると、どんどんと行かない理由が増えていき、現在にいたります。なのでこの「不潔」というワードにとても共感ができました。というか、この価値観を現実世界含め、口にする人と出会ったのが初めてで感動しちゃいました。

元犯罪者の生きづらさについて

自分の周りに、いわゆる前科者というような人がいないので理解はできていないかもしれません。しかし、犯罪の大小に関係なく、一度逮捕され顔や名前がネットに挙がってしまうと一生消えない・消せないんですよね。前に読んだ『消えない月』(畑野智美・著)でも元彼女の写真・画像が出回り大変な思いをする(職も失う)描写があります。こういうのって一度拡散されてしまうと止められないんですよね。実際に過去、コンビニやスーパーの商品ケースに入った写真をTwitterに載せて炎上する、バカッターなんてものが流行ったりしましたよね。確かに時間が過ぎれば話題性が薄れ、忘れ去られてはいきます。が、もしその炎上した当人を恨んでいるような人がいたら、執拗に就職先や家庭、その他SNSなどで嫌がらせをしようと思えばできてしまうんですよね。これって本当に起こりえること。実際に報道されて逮捕となると、その何倍・何十倍も生きづらい世の中になってしまうんだなと思いました。それが実際に犯罪であったのかどうかって関係ないんですよね。世に出てしまった時点でアウト。恐い世の中。

おわりに

まさに「恋愛×地獄」ではあるのですが、これほどまでに惹かれ合う存在ってうらやましいとも思ってしまいます。というか恋愛を超越した関係。誰がなんと言おうと自分たちが幸せ。それこそ正義だなと思いました。今年読んだ小説では間違いなくダントツで面白い作品でした。凪良ゆうさんの作品、これからも追っていかねば。

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