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【小説】『消えない月』畑野智美 / あらすじ&感想

【小説】 『消えない月』 畑野智美 あらすじ&感想
Haru
Haru

未読の方には先にお伝えさせてください。


イヤミスが苦手な人は読まないでください!
本当にヒドいんで!それでも気になる方に。

この記事を書いた人
みての

年間100作品くらい本を読む36歳サラリーマンブロガー
暇があれば書店・古本店へ行く為、読むペースより買う本の方が圧倒的に多い供給過多状態。
それでも本を買うのが至高過ぎて止まりません。
すごい勢いで積読本が増えていきます。誰か助けてください。

〈読書遍歴〉
幼少期:絵本・児童書
小学生〜中学生:週刊少年ジャンプ・月刊コロコロコミック・月刊ファミ通ブロス・週刊ゴング
中学生〜20代:週刊ファミ通・電撃プレイステーション・ファッション誌男女
20代後半〜現在:小説・ビジネス書・自己啓発書に。最近は文芸誌も。

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『消えない月』概要

『消えない月』畑野智美

タイトル:消えない月
著者:畑野智美
出版社 単行本:新潮社 2017年
    文庫本:KADOKAWA 2021年
読んだ本:文庫本 令和4年8月30日…第8版発行分

あらすじ

どうすれば、気持ちが伝わるのだろう? 出会ったことは、運命だったのか? この感情は、恋なのか、ストーカーなのか――。なぜ、さくらは、僕から離れようとするのだろう。どうして、松原さんは、別れてくれないの。婚約までした二人の関係は、はじめから狂っていたのかもしれない――。緊張感に満ちた文体で、加害者と被害者、ふたつの視点から「ストーカー」を描いた価値観を揺さぶる衝撃作。本から顔を上げた時、あなたは「愛」を信じられなくなる。

引用元:Amazon商品ページ単行本

彼らは出会って恋人になり、やがて別れた。ありふれた恋のはずだった、彼が”ストーカー”になるまでは。――被害者の恐怖と、加害者の執着。ストーカーの闇を両側の視点から抉る畑野智美流傑作イヤミス!

引用元:Amazon商品ページ文庫本

主な登場人物

河口さくら…東京のマッサージ店で働く28歳
池田先生…さくらの同僚。30歳。
木崎さん…マッサージ店の受付。さくらと同い年の28歳。
松原さん…さくらを指名する常連のお客さん。さくらの元彼、ストーカー。31歳。

『消えない月』感想

読んだきっかけ

本の帯を読んで購入を決めました。

・寝る前に読むんじゃなかった
・怖くて怖くて読むのをやめたいと思いながら一気に読んでしまった

というコメントに惹かれました。作品の話や著者についての事前知識は一切無しで買いました。ジャケ買いではなく帯買いですね。一人暮らしの女性だと、たしかに“寝る前に読むんじゃなかった”と思うかもしれません。

ストーカーの怖さ

ストーカーが出てくる作品で前に読んだものは、綿矢りささんの『いなか、の、すとーかー』。若き陶芸家の主人公の工房へやってくるのが女性のストーカー。ただ、本作品と比べると、『いなか、の、すとーかー』のストーカーは、ストーカーじゃなくてファンじゃん、ってレベル。ハードなストーカー松原。もちろん本人はストーカーとは微塵も思っていないんですけど(自称婚約者)。

いや、でもストーカーの意識がないストーカー・DV思考な男性って一定数いると思うんですよ。かくいう私にも、松原さんの気持ちに理解できるところがあります。例えば、実家と違う趣味嗜好・価値観を相手に押し付ける。それがきっかけで喧嘩になる、みたいなことってままあるじゃないですか(あるよね?)。なので男なら(と言う表現が合っているのかどうかはちょっとわかりませんが)、理解できちゃう人って多いんじゃないでしょうか。まぁでもちょっと書いていてちょっと心配になったので「サイコパス診断」をやってみました。

サイコパス診断の結果は

診断サイト「vonvon [精神健康診断] 正確なサイコパステスト」より

結果
[精神健康診断]性格なサイコパステスト 結果より

ホッ。サイコパスじゃなかったです私!でも気になる一文、憤怒調節障害?

憤怒調節障害とは
・憤怒調節障害は、怒りを適切に制御できない状態であり、怒りの感情を過剰に表現することが特徴。
・通常の怒りの感情を持つ人よりも、怒りを感じる頻度や強度が高く、怒りを過剰に表現することがある。
・この障害では、怒りの感情を適切に管理するためのスキルやメカニズムが不足している場合があります。

全然大丈夫じゃない。簡易的なチェックだったので多少の傾向がある、程度に思っておきたい。思っておきたい。逆に、松原さんに共感できてしまうので、アンチヒーロー的な魅力を感じるのかもしれません。

私の思いとしては、彼女や妻・家族に嘘をつくってのが嫌です。嘘の大小は関係なく、つきたくないんです。嘘をつくことのねらいは?見栄を張りたいの?私に考えが古風なのかもしれませんが、付き合う=結婚を前提にしてます。なのであとからバレるor一生嘘をつき通すリスクすごくない?しんどくない?って思います。そこまでして嘘をつくメリットが無くない?って本当に謎しかないんですよね。平気で嘘をつける人の神経って本当に理解ができないです。

マジでヒドい

この作品がフィクションで本当に良かったと思えます。別れたあとの報復の方法がシンプルにヒドい。元彼女にだけならまだしも、勤め先にも大ダメージ。しかもその方法が簡単なのが本当にヒドい。考えるだけならまだしも、やっちゃダメでしょってラインを余裕で超えてる。鬼の所業。本当にヒドすぎて引きましたもん。フィクションだからなんとかやりきれるレベル。もしこれ現実に起きたら人生詰む。

おわりに

この作品を一言であらわすと「賽(さい)の河原」。たちの悪いストーカーとの戦いって本当にこんな感じじゃないのかしら。ある種、ストーカー対策などの教則本として読んでも良いんじゃないかと思います。ただ、対策になるかは正直わからん。あまりイヤミス慣れしていないのもあるのかもしれませんが、今まで読んだ小説の中ではダントツでイヤな気持ちになれました。イヤミスって読む進めるので辛い!けど惹き込まれて読んじゃうのが不思議です。

↑『いなか、の、すとーかー』収録作です。

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