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今回ご紹介する小説は
『死にぞこないの青』です。
著:乙一
発刊:2001年
出版:幻冬舎
文庫本描き下ろし作品です。
『死にぞこないの青』
『死にぞこないの青』あらすじ
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飼育係になりたいがために嘘をついてしまったマサオは、
引用元:幻冬舎
大好きだった羽田先生から嫌われてしまう。
先生は、
他の誰かが宿題を忘れてきたり授業中騒いでいても、
全部マサオのせいにするようになった。
クラスメイトまでもがマサオいじめに興じるある日、
彼の前に「死にぞこない」の男の子が現われた。
書き下ろし長編小説。
著者は、
78年福岡生まれ。
今後の日本ホラー小説界の将来を担う書き手として注目を集めている。
『死にぞこないの青』ネタバレ感想
読んだきっかけ
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なんとなく、乙一さんの作品を読んでみたいなと思い、
手に取った作品です。
本当は著者の出版順に読んでいきたかったのですが、
なんとなく読みきれそうなボリューム感だったのと、
とっさに出版順が分からなかったので、
裏表紙のあらすじを読んで決めました。
私と乙一さんの距離感
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・『夏と花火と私の死体』
・『天帝妖狐』
は過去に読了済みです。
初 乙一作品が
『夏と花火と私の死体』だったのですが、
読んで衝撃を受けました。
しばらく、この衝撃の余韻が残っていました。
『天帝妖狐』は読んだ記憶はあるものの、
内容は全く思い出せません。
また機会があれば読み直そうと思います。
共感できる
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私も主人公・マサオみたいに、
昔から引っ込み思案で、
小学校6年間、担任含め、
先生と会話をした記憶がありません。
返事や聞かれたことに反応するくらいで、
ちょっとしたことで叱られても、
反論なんてできませんでした。
なので、このマサオの気持ちってとても共感できます。
私の場合、
担任の先生が今作のように、
いじめをするような人、
ではなかったのでそうはならなかっただけで、
もし意地悪な担任が(いたとすれば)
ターゲットになりえたと思います。
また、小学生から見た大人って、
背が大きいし、年齢的にもとても上だし、
なんでも正しいと思っていました。
自分が悪くなくても自分を責めてしまう、
この気持ちってすごく共感できます。
マサオがいじめられ、どんどんと落ちていく様を
読みながら見守るのが辛いのですが、
どうなる!?どうなる!?と
読まずにはいられない恐怖がありました。
青
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「アオ」という謎の正体。
おそらくマサオの中に眠っている感情・人格っぽいのですが、
マサオの性格的にこんな捻じ曲がった憎悪の心を持っているとは思えません。
なので私的には悪霊?に憑かれていた、
という感覚です。
ただ、マサオを助けてくれたのは間違いなく「アオ」の存在のおかげです。
どうしようもできない状況を打破してくれてありがとう、
と思いました。
また、担任と崖から落ちても命が無事だったのは、
「アオ」が助けてくれたんじゃないかな、と思いました。
おわりに
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とにかく、冒頭から主人公・マサオに共感ができたので、
最後までほぼノンストップに読め、
面白かったです。
内容的には「楽しい」というものではありませんが、
続きが気になり、読むのが止められない作品に
久々に出会えました。
第4章の最後で、
担任の命を殺めるのかと思いましたが、
とどめを刺さないところがマサオの優しいですよね。
第4章で終わり、
でも良かったのでは、
と思いました。
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