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【小説】『悪口』上田岳弘 / あらすじ&感想

【小説】 『悪口』 上田岳弘 あらすじ&感想
みての
みての

新型コロナウイルスが猛威を振るう中、世間の喧騒とは無関係に過ごす一組のカップル。
本作品『悪口』は、そんな時代背景の中で繰り広げられる人間模様を描いています。
緊急事態宣言下で久しぶりに会うことになった主人公とその恋人十花が織りなす一夜の出来事。二人の関係性と、コロナ禍での生活に対する独特の視点が交錯するこの物語です。

この記事を書いた人
みての

年間100作品くらい本を読むサラリーマンブロガー
暇があれば書店・古本店へ行く為、読むペースより買う本の方が圧倒的に多い供給過多状態。
それでも本を買うのが至高過ぎて止まりません。
すごい勢いで積読本が増えていきます。誰か助けてください。

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『悪口』概要

『悪口』

旅のない (講談社文庫 う 71-2)

タイトル:悪口
著者:上田岳弘
出版社:講談社
単行本:2021年09月15日 発売
文庫本:2024年04月12日 発売
読んだ本:群像 2020年8月号

あらすじ

恋人と過ごすホテルでのゴールデンウィーク。「じゃあ、悪口の練習しよっか?」。僕は初めて彼女と会った時のことを思い出す。

引用元:Amazon

『悪口』感想

主人公の独特な魅力と性格

『悪口』の主人公はフリーのシステム開発者であり、コロナ禍の特殊な状況下で生きる一人の男です。自己評価が低い女性を好み、その中でも特に十花との関係を楽しんでいます。彼の露悪的な性格と世間に対する独特の見方が、物語の大きな特徴です。一方で、その態度には読者として共感しにくい部分もあり、捻くれた性格が鼻につくこともあります。

コロナ禍のリアルな描写

新型コロナウイルスの流行が続く中、人々の日常生活がどのように変わったのかを描く本作は、そのリアルさが際立ちます。特に、ホテルの一夜でのエピソードは、コロナ禍における人々の行動や心理を鋭く捉えています。私自身、コロナ禍初期の独特の空気感を思い出し、当時の緊張感や不安感が蘇りました。

恋愛と「悪口」のユニークな関係性

主人公と十花が繰り広げる「悪口のレッスン」は、単なる口論ではなく、二人の関係を深める一種のゲームとして描かれています。この奇妙な遊びが、二人の関係を複雑かつ魅力的にしています。悪口を通して互いの本音に触れ、関係性を深めるそのプロセスが非常にユニークです。

シニカルなユーモアと印象的な表現

上田岳弘の作品には、シニカルなユーモアが散りばめられており、それが物語全体に独特の味わいを与えています。特に「たかが絶滅だろ?」というフレーズは、コロナ禍の不安と恐怖を和らげる一方で、人類の脆さを鋭く指摘しています。また、「ひとり春琴抄野郎」という表現も非常に印象に残りました。

SEという職業への憧れとコロナ禍の日常

私はSEという職業には縁がありませんが、リモートワークの環境が整っていることに羨ましさを感じました。家で仕事ができる環境は、コロナ禍において特に重要なポイントとなりました。また、コロナ禍における一カップルの物語として、私たちが経験したことのない空気感をうまく描き出しています。確かにあの頃は多くの困難がありましたが、それでも新しい経験にワクワクした部分もあったことを思い出しました。

おわりに

上田岳弘さんの短編小説『悪口』は、新型コロナウイルスという未曾有の状況下で生きる人々のリアルな姿を描いた作品です。主人公と十花の関係を通して、コロナ禍の中での人間関係や社会の変化を鋭く捉えています。シニカルなユーモアと独特の視点が光るこの作品はコロナ禍を経た今、改めて読む価値のある一冊です。

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