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【小説】『嚙みあわない会話と、ある過去について』辻村深月 / あらすじ&感想

【小説】『嚙みあわない会話と、ある過去について』辻村深月 / あらすじ&感想
Haru
Haru

〈作品情報〉
タイトル:嚙みあわない会話と、ある過去について

著者:辻村深月

出版社:講談社

出版年:2018年(単行本)
ページ数:210ページ(単行本)

『嚙みあわない会話と、ある過去について』

この記事を書いた人
みての

年間100作品くらい本を読むサラリーマンブロガー
暇があれば書店・古本店へ行く為、読むペースより買う本の方が圧倒的に多い供給過多状態。
それでも本を買うのが至高過ぎて止まりません。
すごい勢いで積読本が増えていきます。誰か助けてください。

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『嚙みあわない会話と、ある過去について』内容紹介

あなたの「過去」は、大丈夫?

美しい「思い出」として記憶された日々――。
その裏側に触れたとき、見ていた世界は豹変する。
無自覚な心の内をあぶりだす「鳥肌」必至の傑作短編集!

大学の部活で仲のよかった男友達のナベちゃんが結婚するという。だが、紹介された婚約者はどこかズレていて――。
「ナベちゃんのヨメ」

国民的アイドルになったかつての教え子がやってくる。小学校教諭の美穂は、ある特別な思い出を胸に再会を喜ぶが……。「パッとしない子」

人の心裏を鋭くあばく傑作短編集!

引用元:講談社BOOK倶楽部

『嚙みあわない会話と、ある過去について』感想

ナベちゃんのヨメ

あらすじ

大学の部活で仲のよかった男友達のナベちゃんが結婚するという。だが、紹介された婚約者はどこかズレていて――。

引用元:講談社BOOK倶楽部

感想

出だしの一文
“ナベちゃんの嫁がヤバいらしい――という噂が立つ。”
これがまず“ヤバい”ですよね。

まさにこの作品を一言で表現するならこの出だしの一文だと思います。

彼女が出来て、結婚して、
あいつ何か変わったよなー、
そんな友だちって身近にいませんでしたか?

その変わった奴が私です。

でも、それって良くも悪くも、
価値観が変わったってだけなんですよ。

環境が変われば結果として人格も変わります。
人間は変化し続ける生き物なんです。

そしてナベちゃんと奥さんが幸せならオールオッケーですよ。
外野に価値観のジャッジは不要です。

大学時代から変われていないあなたたちがどうなの?
って話でした。

パッとしない子

あらすじ

国民的アイドルになったかつての教え子がやってくる。小学校教諭の美穂は、ある特別な思い出を胸に再会を喜ぶが……。

引用元:講談社BOOK倶楽部

感想

自分の発してきた言葉の無責任さを考えさせられました。

特に悪気もなく、なんとなくのイメージで
過去に出会った人たちのことを伝えていませんか?

自分の中の他人のイメージって、
本当に一辺、いや一辺すらつかめていないんだな、
と思いました。

時間が経てば経つほど曖昧な記憶になり、
本当になんとなく、
こんな感じの子だった。

で済んでしまいます。
記憶ってそんなもんだからしょうがないです。

ただ、勝手な見解や意見をひけらかすと後々トラブルの元になる、
と教訓になる話でした。

ママ・はは

あらすじ

「ママ・はは」は、“心が凍りつく”ことのない人間の末路を描く一篇

引用元:文春オンライン

感想

前半は完全にフリ。
後半はホラー。

教育者二人のやりとりで、
まじめで意見もできる保護者さんってすごいよな、
同じく、子を持つ親としては見習わないとな、
と思っていました。

先輩の先生、スミちゃんの話が進むにつれて、
私自身の幼少期を思い出しました。

当時の時代的にも、
親の、しかも父親は絶対!
みたいなルールがすごく、
親のレールから外れた行動に怒られる。
叱られるというよりは怒られる。

なので怒られない為の行動を迫られるのがとても窮屈でした。

高校受験までは本当に苦しかったですが、
高校へ入学してからはすごく自由にさせてもらえ、
遊び惚けたいました。

その点、この物語に出来るスミちゃんは、
大学生になっても苦しみ続けることに。

そこから不思議なことが。
しかもゾッとする展開に。

想像と全く違う方向性の話で、
背筋が凍りました。

早穂とゆかり

あらすじ

フリーライターの湯本早穂は、カリスマ経営者の日々野ゆかりをインタビューすることになった。彼女は小学校の同級生だが、当時はさえない子だった。弱みを握っている気で会いに行くが

引用元:文春オンライン

感想

2編目の『パッとしない子』と通ずるテーマの作品。

学生時代に少し浮いていた子が有名人になり、
記者となった早穂が地域雑誌のインタビューに伺う話。

この話も軽はずみな行動はやめとかなきゃ、
と行動に伴う責任について考えさせられる話でした。

がんばる個人のための「もしもアフィリエイト」

おわりに

辻村深月さん版『世にも奇妙な物語』という感じの作品でした。

人って怖い。
感情って怖い。

誰にでも良い顔をして生きていくのではなく、
自分に正直に、自分の感情を大事に、
人と関わって生きていかないとな、
と思いました。

適当にしていたら、
いつか足をすくわれてしまうかも。

そんな4編でした。

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