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【短編小説】『断崖式』桐野夏生 / あらすじ&感想

【短編小説】『断崖式』桐野夏生 / あらすじ&感想
みての
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こんにちは、本大好きブロガー みての@BV_BJ_Haru22です。

今回は桐野夏生さんの短編小説『断崖式』をご紹介します!

この記事を書いた人
みての

年間100作品くらい本を読む36歳サラリーマンブロガー
暇があれば書店・古本店へ行く為、読むペースより買う本の方が圧倒的に多い供給過多状態。
それでも本を買うのが至高過ぎて止まりません。
すごい勢いで積読本が増えていきます。誰か助けてください。

〈読書遍歴〉
幼少期:絵本・児童書
小学生〜中学生:週刊少年ジャンプ・月刊コロコロコミック・月刊ファミ通ブロス・週刊ゴング
中学生〜20代:週刊ファミ通・電撃プレイステーション・ファッション誌男女
20代後半〜現在:小説・ビジネス書・自己啓発書に。最近は文芸誌も。

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『断崖式』概要

『断崖式』
(『覚醒するシスターフッド』収録作)

タイトル:断崖式
著者:桐野夏生
出版社:河出書房新社
単行本:『覚醒するシスターフッド』2021年2月25日発売
読んだ本:「文藝 2020年 秋季号」

あらすじ

大学時代“わたし”が家庭教師をしていた教え子、巻上真紀が亡くなったとの噂を聞く。家庭教師時代の“わたし”と真紀との思い出を振り返る。

主な登場人物

水高…わたし。大学時代、家庭教師のアルバイトをしていた。
巻上真紀…“わたし”の小学校五年生〜中学一年生までの教え子。おとなしそうな普通の女の子。

『断崖式』感想

読んだきっかけ

『文藝 2022年 秋季号』を買って読んでいるとアレ?桐野夏生先生!?『文藝』って純文学雑誌(文芸誌)だよ?なんで!?私の中で桐野夏生さん=エンタメ作家というイメージしかありませんでした。ですがよくよく調べてみると『グロテスク』で泉鏡花文学賞を、『東京島』で谷崎潤一郎賞を受賞されているんですね。二作品とも過去に読みましたが純文学だとは認識していなかったです。ということは文芸誌に桐野夏生先生がいても全然不思議なことではない!おk把握した。

やっぱドロドロ!

さすが桐野夏生先生!素晴らしいイヤさ。スタートから不穏。振り返っても不穏。そして進めば進むほど不穏さマシマシ。真紀の境遇がしんど過ぎる。若ければ若いほど辛いし避けようがない。味方という味方がいない。漫画『血の轍』とは系統が若干違うんですけど似たような気持ち悪さ。というかこれ“シスターフッド”なのか?っていうか“シスターフッド”って何?教えてChatGPTさん。

「シスターフッド」とは、一般的には女性同士の絆や連帯を表す言葉です。文字通りには、「姉妹の関係」を意味しますが、より広い意味で使用されることがあります。

ChatGPTさん

女性同士の絆や連帯……。たしかに納得はできるけどおかしい。常軌を逸しとる。むしろサスペンスなんだが。若干のネタバレになるかもしれんけどちょっと言っていい?苦言を呈していい?妻・娘・愛人・愛人の娘の同居は“シスターフッド”とは言わない。

おわりに

私が桐野夏生さんに求める禍々しさ、人間の恐ろしさ、気持ち悪さを存分に感じられる作品でした。ラストは何を言っているのか一ミリも理解できませんでしたが、それも含めてただただ不穏だしテンションが上がる要素がないところが本当に素敵。ハッピーを挟む余韻・隙間を一切排除した潔さに乾杯。短編小説でもこの嫌味を感じられるのは良いですね。Amazonレビューでもこの『断崖式』が一番良かった、的なコメントが多いです。まだ他の『覚醒するシスターフッド』作品は読めていないので今のところ比較することはできないのですが、本作『断崖式』はきっと“シスターフッド”じゃないと思います。でもそれが素敵。

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