笑って泣いて、ハラハラドキドキ!
ぜひ、あなたも舞台裏の世界を覗いてみてください。
『バック・ステージ』概要
『バック・ステージ』
タイトル:バック・ステージ
著者:芦沢央
出版社:KADOKAWA
単行本:2017年08月31日発売
文庫本:2019年09月21日発売
読んだ本:文庫本 2019年9月25日…初版発行分
あらすじ
「まさか、こうきたか」幕が上がったら一気読み!注目作家の痛快ミステリ!
引用元:KADOKAWA
新入社員の松尾は忘れ物で戻った夜の会社で、先輩社員の康子がパワハラ上司の不正証拠を探す場面に遭遇。そのまま巻き込まれる形で、片棒を担がされることになる。翌日、中野の劇場では松尾たちの会社がプロモーションする人気演出家の舞台が始まろうとしていた。その周辺では息子の嘘に悩むシングルマザーやチケットを手に劇場で同級生を待つ青年、開幕直前に届いた脅迫状など、それぞれ全く無関係の事件が同時多発的に起きていたが、松尾と康子の行動によってそれらは少しずつ繋がっていく、そして……。バラバラのピースが予測不能のラストを象る。いま、最も注目される作家芦沢央の驚愕・痛快ミステリ!
主な登場人物
松尾…新入社員。澤口の不正疑惑調査に巻き込まれる。
玉ノ井愛美…澤口の部下。新入社員。澤口を尊敬している。
澤口…営業成績優秀。社長のお気に入り。子供2人 (留衣、萌奈美) がいる。
後藤康子…謎めいた先輩。大学時代から劇団員。
嶋田ソウ…人気演出家。厳しい指導で知られる。
川合春真…無名役者。嶋田ソウ舞台のキーパーソン。
奥田…元サッカー部部長。伊藤みのりと再会。
伊藤…奥田の再会相手。
千賀稚子…ベテラン女優。認知症の兆候が現れる。
信田篤子…千賀稚子のマネージャー。
『バック・ステージ』感想
読んだきっかけ
芦沢央さんの作品は『許されようとは思いません』、『火のないところに煙は』の2作品は読んだことがあるので、本作『バック・ステージ』もホラーかイヤミス系かと思っていました。個人的には『許されようとは思いません』の『目撃者はいなかった』がこんな夢見そう!ってリアルさがゾッとしたのが非常に面白かったです。本作もイヤ〜な気持ちを味わえる作品かと思い、読んでみました。
ドタバタコメディ群像劇
しょっぱなから軽い雰囲気。あれ?なんか思っていた感じと違うぞ?というのが第一印象。そして“序幕”が終わり、“第一幕”に進んで気付きました。「これコメディ群像劇じゃん!」良い意味で裏切られました。過去に読んだ巻き込まれ系ドタバタ群像劇で面白かったのが奥田英朗さんの『最悪』。映画だと『エイプリルフールズ』こういった作品たちを思い出しました。
上記の通り、群像劇だということをは読み進めてわかりました。ただ、このシーンとこのシーンつながってるの!?関係性遠すぎて笑いました。モブキャラ同士のやりとりかと思ってたらモブキャラと違うのかよ!メインキャストなのかよ!ってかそこ繋がってるの!?ってのが衝撃でした。
お兄ちゃーん!
“第一幕”に出てくる兄弟の兄。小学3年生、浩輝君。めっちゃ良い子。運動が苦手でおとなしい子。私も似たようなタイプの幼少期だったのでスポットの当て方によっては嫌な気分になるよこれは、と思っていましたが心配無用でした。地味かもしれませんが、目立たない子のこともしっかり描いてもらえると気持ちが良いし救われます。
黒歴史
“第二幕”に出てくる学生時代の思い出。ライトノベル好きな男の子のあだ名のシーンが面白くもつらいと思いました。
中学時代の厨二病気味な友人D君を思い出しました。GLAYになりたがって髪型や所作?を真似しまくっていたD君、元気してるのかしら。当時「俺達は白でも黒でもない!GLAYだ!」ってセリフをよく聞かされていました。当時の私としては、色のグレーだったら“GRAY”じゃん、って冷静に考えていました。あとD君はゴリラ顔だからビジュアル的に厳しいだろうな、と思っていました。
おわりに
『バック・ステージ』は、予測不能な展開と個性豊かな登場人物たちが織りなす、ドタバタコメディ群像劇です。芦沢央ファンはもちろんのこと、コメディ作品が好きな方にもぜひおすすめしたい作品です。
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