『痴人の愛』
『痴人の愛』あらすじ
彼女に踏みにじられたい、そんな欲望が君の心の奥底にもひそんでいるはずだ!
引用元:新潮社
きまじめなサラリーマンの河合譲治は、カフェでみそめて育てあげた美少女ナオミを妻にした。河合が独占していたナオミの周辺に、いつしか不良学生たちが群がる。成熟するにつれて妖艶さを増すナオミの肉体に河合は悩まされ、ついには愛欲地獄の底へと落ちていく。性の倫理も恥じらいもない大胆な小悪魔が、生きるために身につけた超ショッキングなエロチシズムの世界。
『痴人の愛』感想
⚠この記事には物語のネタバレが含まれます。
気になる方はご注意ください。
読んだきっかけ
![](https://newblushingviolet.com/wp-content/uploads/2023/08/analog-style-lemon-squash-sodachignon-hair-6.jpg)
私の敬愛するYouTubeチャンネル「ほんタメ」さんで、
谷崎潤一郎さんの『春琴抄』が紹介されていたのがきっかけです。
というのも、以前、祖母が『吉野葛』を探しているが、
近くの書店では見つからない、
との事でAmazonさんでポチってプレゼントしたことがあるんですね。
その当時は読書しはじめて1〜2年くらいで、
近代文学というものに全く興味がありませんでした。
なぜなら、文章がわかりにくい。
日本語が昔の言い回しなので、物語が全然入ってこない。
なのでずっと近代文学には触れないんだろうな、
と思いながら読書生活に勤しんでいました。
ところが、今年の夏!
なんだか急に近代文学に興味を持ってきたんです!
まず読んだのが宮沢賢治『銀河鉄道の夜』。
昔Kindle端末でチャレンジしたものの、
どこの国?活字拾いって何かファンタジーの世界?
みたいに全然理解ができず、挫折。
そんな中、中田敦彦さんのYouTubeチャンネルで
『銀河鉄道の夜』についての番組を改めて観て、聞いて、
なるほど!そういうお話なんですね、
と理解できた後に読んでみると、
以前のような読みづらさを感じなくなっていました。
なので、次に何を読もうか、
と思った時に浮かんだのが谷崎潤一郎。
全然古臭さ、読みにくさを感じませんでした。
むしろ、今読んでちょうど良いではないでしょうか。
さまざまな愛の形
![](https://newblushingviolet.com/wp-content/uploads/2023/08/analog-style-lemon-squash-sodachignon-hair-5.jpg)
こういう夫婦の形があっても、別にいいんじゃない?
逆に今どきな夫婦のあり方だと思うんですよね。
西洋風な顔立ちで、「ハーフ」と思われるような混血系美女であり、
後に不倫をしまくる妻(13歳年下)。
夫・譲治は不倫を知り、怒りのあまり追い出しますが、
妻は悲しむどころか、自由に遊び回っていて、
結局苦しむのは夫である譲治。
そして思いは募っていく……。
読んでいて第三者として見ると、
何度同じ過ちを繰り返すんだ譲治は!
と思うのですが、
当事者である彼・彼女さえ納得ができるのであれば、
致し方ないな、と思うしかありません。
それも一つの愛の形なんだな、と思いました。
日記って大事
![](https://newblushingviolet.com/wp-content/uploads/2023/08/fd08e190d47a6bd5f301ff328371370bda536a08-4.jpg)
物語の本筋とはあまり関係がないのですが、
私がこの本を読んでの一番の学びは、
「日記を書いておくって大事」です!
彼女について書き綴った日記を読み返すシーンが何度も出てきます。
細かな情報だったり、その時の思いって
すぐに忘れていくものなので、
細かな情報を書き綴るって大事だな、
と思いました。
私も一時、日記や手帳にハマり、
毎日少しずつ書いてはいたのですが、
段々と疎遠になり……。
ぽっかり数ヶ月空いている。
というか何度もリセットして新たに書き始めるものの、
気分新たに、違うノートに書いていく為、
いつ・どこに何を書いたかが全然わからず。
ここ最近はシステム手帳のリフィルにまとめていこうと、
以前書いた日記を引っ張り出して、
少しずつ転記しております。
あと、愛用しているシステム手帳をチラッとご紹介します。
ロロマクラシックの聖書(バイブル)サイズです。
魔導書みたいなデザインが可愛いです。
おわりに
![](https://newblushingviolet.com/wp-content/uploads/2023/08/analog-style-lemon-squash-sodachignon-hair-4.jpg)
約100年前の作品なのに、
人間って変わらないんだな、
ということがありありと分かる作品でした。
譲治さんの愛情って本当に重たすぎるくらい重たいんですが、
ものすごく純粋だし直球なんですよね。
ただし、そこは日本人男子。
不器用なんですよね〜。
その辺、上手くできないところがまたリアル。
名作は色褪せないということがよく分かる作品でした。
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