【小説】『オーダーメイド殺人クラブ』辻村深月 あらすじ&ネタバレ感想
中学二年生の四月、小林アンは突然友人たちから無視される。同級生の昆虫系(イケてないキャラ物男子)、徳川の言葉をきっかけに仲直りするが、「リア充」の、クラス内ヒエラルキー上位の女子グループの“世界の狭さ”に違和感をおぼえる。実は、死の香りがする「退廃的な美」に強く惹かれ、独自の世界観に誇りを持っているアン。美術部の徳川が書いた絵「魔界の晩餐」にも強く惹かれていた。ある日、その徳川が河原で動物をふみ殺しているような現場を遠くから目撃。気になったアンは徳川に近づき、話をするうちに、お互いの中に共通するセンスを感じる。母親の無理解、友人たちとの関係に、絶望にも似た閉塞感を抱くアンは、自分の美意識を理解できるのは徳川しかいないと確信、ついには「自分を殺してほしい」と依頼する。普通の中学二年生とは違う、「特別な存在」となるために、今までになく斬新な、人々の記憶に残る殺人事件を計画するふたり。クラス内階級を超えて密かに相談を繰り返す。アンと徳川の不思議な関係の行方は、そして二人で作る事件の結末とは…。引用元:集英社