『オーダーメイド殺人クラブ』
『オーダーメイド殺人クラブ』あらすじ
中学二年生の四月、
小林アンは突然友人たちから無視される。同級生の昆虫系（イケてないキャラ物男子）、
徳川の言葉をきっかけに仲直りするが、「リア充」の、
クラス内ヒエラルキー上位の女子グループの“世界の狭さ”に違和感をおぼえる。実は、死の香りがする「退廃的な美」に強く惹かれ、
独自の世界観に誇りを持っているアン。美術部の徳川が書いた絵「魔界の晩餐」にも強く惹かれていた。
ある日、
その徳川が河原で動物をふみ殺しているような現場を遠くから目撃。気になったアンは徳川に近づき、
話をするうちに、
お互いの中に共通するセンスを感じる。母親の無理解、
友人たちとの関係に、
絶望にも似た閉塞感を抱くアンは、
自分の美意識を理解できるのは徳川しかいないと確信、
ついには「自分を殺してほしい」と依頼する。普通の中学二年生とは違う、
「特別な存在」となるために、
今までになく斬新な、
人々の記憶に残る殺人事件を計画するふたり。クラス内階級を超えて密かに相談を繰り返す。
引用元：集英社
アンと徳川の不思議な関係の行方は、
そして二人で作る事件の結末とは…。
『オーダーメイド殺人クラブ』ネタバレ感想
青春
こんなに不思議な響きなのにピッタリとくるタイトル、
なかなかありません。
もっとミステリーミステリーしているのかと思いきや、
ミステリー要素はありません。
一言で表すと「青春」です。
私もですが学生時代、
おとなしかった方には主人公に共感できる部分が多いのではないでしょうか。
まず、友だち同士のいじめのターゲットの移り変わり、
あるある、ですよね。
良かったこと
一番良かったのは
「殺人事件が起こらなかったこと」です。
タイトル詐欺じゃん！と思うかもしれませんが、
起きなくて良かったです。
普通、タイトルに「殺人クラブ」と入っていたら
ジャンルとしてはミステリーですよね。
なので、どんな事件が起こるのかな、
と思って読んでみると肩透かしをくらいます。
でも、それで良かった、と思える読後感。
思春期のデリケートさ
こういうデリケートな時期って、
周りのコミュニティが全世界なんですよ。
全然世の中わかってないんですよ。
学校を休むなり、
適当にやり過ごして生きたらいいんだけど、
まだまだ幼いからそんなテクニック無いんですよ。
だって35歳の私だって世の中のことまだまだ全然分かってないんだから。
まぁ、でも学生時代より、
大人の方がずっと生きやすいとは思います。
どう考えても学生時代の方が辛かった。
特にいじめにあっていた訳ではないですが。
体育がずっと苦手なのに週に1〜2回もあるんですよ。
それだけで憂鬱。
だからね、
こんな10代のこれからって時期に死なんて意識しなくていいんだよ！
主人公も本気と言いながら、
本気ではない、
いわゆるファッション「死にたい」だから良かった。
結局ちょっと変わった恋愛モノなんですよ。
一つの青春なんですよ。
それが良い作品でした。
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