『新耳袋コレクション』
『新耳袋コレクション』あらすじ
現代の奇書『現代百物語 新耳袋』全十夜。
引用元:文庫本裏表紙より
全九百九十話におよぶ妖しく不思議な怪談奇談を作家、恩田陸が解体・再構築して選り抜いた九十九の物語。
未だ『新耳袋』も世界を知らないというあなたへ贈る。
「新耳袋コレクション」第一弾。
『新耳袋コレクション』感想
『新耳袋』とは?
『新耳袋』(しんみみぶくろ)は、現代の怪談・怪異譚を百物語形式で収載した書物である。
引用元:Wikipedia
私の場合、兄が先にこのシリーズを知っていて、過去に購入してプレゼントをしたことがあります。
なんとなく、怪談を集めた本、という認識でした。
百話を完結させると怪しいことが起こると語り継がれる「百物語」。自ら蒐集した怪異現象の数々によって「百物語」のスタイルを現代によみがえらせ、一大怪談ブームの火付け役となった稀代の怪談実話集!
引用元:新耳袋 第一夜 現代百物語 Amazonページ
本作の序文にも書かれているのですが、このシリーズに収められているのは全て実話だそう。
私の場合、怪談はファンタジーだと思っているので普通に怪談小説ショートショート、みたいな感じで読めました。
実話っぽさ
確かに、実話っぽい感じがします。
というのも、これをもし映像化したら数秒で終わるじゃん!
みたいな、ちょっとした不思議、謎。
短いものだと1ページで終わる話なんかもあります。
怖い〜!というより不思議、SF系?なものもあります。
このへんのジャンルレスな感じは個人的に好きです。
印象に残った話
第七十四話 お船が出るよ
話の本筋とは全く関係ないのですが、私の話。
多分、あれは小学校へ上がる前。
父方の祖父母の家へ兄と一緒に泊まりに行きました。
なぜ泊まることになったのかは全く覚えていませんが、割にノリノリで泊まりたい!
となったような気がします。
初めてのお泊りでワクワク・ドキドキ。
はじめは普段と違った自由さが楽しく、夜に放送されていた映画『ミクロキッズ』を観たのをよく覚えています。
しかし、いざ寝ないと、となった時間になって急に心細くなってきました。
おそらく、泣き出したんじゃないかと思います。
結局親に迎えにきてもらったのか、そのまま朝まで寝たのかはうろ覚えです。
なんかそんな初めての体験を思い出す話でした。
第八十一話 銀杏(いちょう)の並木
乙一さんの『箱庭図書館』の中の一編『ホワイト・ステップ』みたいな話。
ちなみに私はこの話が大好きです。
ただ、もし現実に起きるとなるとただただ不気味なだけだな、と思いました。
第九十一話 エキスポランド
こういう話って、大体“某遊園地”みたいなぼかし方をすることが多いですよね。
この話は実際に存在する(した)遊園地での話。
普通にゾッとする話。
当事者だったら恐怖でトラウマになりそう。
おわりに
おそらく当初は『新耳袋コレクション』シリーズが続く予定だったと思われますが、まさかの本作のみ。
新たなエピソードが収録されるわけではないので、『新耳袋』好きな方からすると内容的に物足りないかもしれませんね。
私は今まで『新耳袋』を読んできていないのでこれを機会に読んでいきたいと思います。
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