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【短編小説】『石蕗南地区の放火』辻村深月 / あらすじ&感想

【短編小説】 『石蕗南地区の放火』 辻村深月 あらすじ&感想
Haru
Haru

今回は短編アンソロジー小説
『あなたの不幸は蜜の味 イヤミス傑作選』収録作
『石蕗(つわぶき)南地区の放火』をご紹介します。

『あなたの不幸は蜜の味 イヤミス傑作選

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みての

年間100作品くらい本を読むサラリーマンブロガー
暇があれば書店・古本店へ行く為、読むペースより買う本の方が圧倒的に多い供給過多状態。
それでも本を買うのが至高過ぎて止まりません。
すごい勢いで積読本が増えていきます。誰か助けてください。

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『石蕗南地区の放火』あらすじ

公有物件の保険事業を担当する災害共済地方支部に勤める笙子は、不審火が出たという実家近くの消防団の詰所となっている神社に現場調査に向かった。そこには案の定、顔を合わせたくない消防団員・大林の姿もあったが、笙子は気づかないふりを続ける。お世辞にもいい男とは言い難いあんな男と1日とはいえプライベートで一緒に出かけてしまったことを他人に知られることは、綺麗でモテると今までもてはやされてきた笙子のプライドが許さなかった。しかし大林はわざとらしい演技でたった今気づいたかのように、親しげに声をかけてくる。

引用元:Wikipedia

『石蕗南地区の放火』感想

男臭さ

男臭さって苦手だな、と思います。
特に、ガサツ・不潔なのを“男らしい”みたいな勘違い。

自分に自信はあることは良いことです。
自己肯定感って大事ですもんね。

ただ、その自信を武器に、
興味のない人の生活を脅かすのはやめていただきたい。

私の中の格好良い男性像って、
中性的な顔立ち。
冷静で賢くてスラッとした体型。
気遣いができる。

私の近くに大林さんがいたら、
きっと仲良くはなれていないと思います。
お互いに合わなそう。

そして主人公の笙子さんと同じような感情を持ちそうです。

不憫さ・黒歴史

笙子さんは笙子さんで、
なんかもう…、うん、
なんかさ…、
といういたたまれなさ。

なんでこんなどうでも良いことで
嫌な気持ちにならないといけないんだ。

という巻き込まれ型主人公。

とにかく忘れ去りたい過去。
ある種の黒歴史。

そんな話でした。

私の恋愛での黒歴史といえば、
高校時代、はじめてお付き合いした彼女に
携帯電話でおもいっきり歌を唄っていたことですかね。

自分の歌にとても自信があった(全く上手くはない)ので、
なんなら歌のプレゼントだ、くらいの気持ちでした。

彼女は彼女で周りに友だちがいたようで、
困惑&まわし聴きしていたもよう。

だからといって特に私に実害があった訳ではありませんが、
ただただ気持ち悪かった自分を思い出しました。

むしろ、彼女の立場だと笙子さん側の気持ちに感情移入できたかもしれません。

おわりに

辻村深月さんも大好きなのですが、
同じく大好きな作家さんである桐野夏生さんの作品みたいな、
嫌〜な感じのクズ男感があって良かったです。

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