今回ご紹介する小説は
「学生アリスシリーズ」3作目、
『双頭の悪魔』です。
『双頭の悪魔』
『双頭の悪魔』概要
タイトル:双頭の悪魔
著者:有栖川有栖
出版社:東京創元社
発行年:1992年
『双頭の悪魔』あらすじ
四国山中に孤立する芸術家の村へ行ったまま戻らないマリア。
英都大学推理研の一行は大雨のなか村への潜入を図るが、
ほどなく橋が濁流に呑まれて交通が途絶。
川の両側に分断された江神・マリアと、
望月・織田・アリス――双方が殺人事件に巻き込まれ、
各各の真相究明が始まる。読者への挑戦が三度添えられた、犯人当ての限界に挑む大作。
引用元:東京創元社
『双頭の悪魔』感想
過去に「学生アリスシリーズ」1作目『月光ゲーム』2作目『孤島パズル』は読了済み。
ですが、読んだのが何年も前であんまり覚えていません。
登場人物をより深く知られるという点では先に読んでおきたいところですね。
ただ、著者のあとがきに書いている通り、過去作を読んでいなくても楽しめる作品です、
有栖川有栖氏の作品の中でも特に評価の高いミステリー小説。
本作は二つの村で殺人事件が起きます。
そのため、登場人物が多いです。
登場人物一覧を手元に置きながら読む方が把握できて便利かと思います。
私の場合、文庫本が698ページとボリュームがある為、
数日に渡り読んでいくと、読み始めるたびに「あれ?これ誰だっけ?」状態でした。
このシリーズは関西弁が特徴ですよね。
関西弁なのに読むのに邪魔にならないというか、気にならないのが
著者のセンスなのでしょうか。
ただ、個人的には望月・織田先輩のキャラ像がいまいち浮かばなく、
二人とも関西弁なので尚更パッとしないのが読んでいて唯一の難点でした。
そして、本作のキモは驚きのトリック。
犯人の動機って何だっけ?
と忘れるくらい、斬新なトリックでした。
まさしく新本格ミステリー。
特に、普段ミステリー小説をあまり読まない方におすすめの作品だと感じました。
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