『クレージー・モンキー/笑拳』概要
クレージー・モンキー/笑拳
The Fearless Hyena
あらすじ
非道な武術家、ヤムに反逆者の汚名を着せられ逃亡した行意門派のチェン。彼は、山で隠居生活を送りながら、一緒に暮らす孫のロンに秘かに拳法を教えていた。何も知らない甘えっ子のロンは、人前でカンフーを見せるなというチェンの教えもどこ吹く風。うさんくさい道場に師匠として雇われ、「行意門」の看板を掲げる。やがて、それはヤムの一味の知るところとなり、彼らはチェンの居場所を突き止める。そして、ヤムに急襲されたチェンはロンの目の前で命を落としてしまう。復讐に燃えるロンだったら、突然現れたチェンのかつての弟子、”8本足の麒麟”に諫められ、ヤムに打ち勝つ力を会得すべく、彼の下で厳しい特訓を開始する。
引用元:TWIN
キャスト
主人公…ロン:ジャッキー・チェン
主人公…の祖父チェン:ジェームズ・ティエン
敵ボス…ヤム:イエン・シー・クアン
師匠…8本足の麒麟:チェン・ウェイロー
スタッフ
監督/脚本:ジャッキー・チェン
監督補佐:チェン・シーホワ、エリック・ツァン
脚本:ロー・ウェイ(中国語版)
音楽:フランキー・チェン(中国語版)
製作:スー・リーホワ
日本公開1980年/香港
『クレージー・モンキー/笑拳』感想
まずオープニングですよ。
タイトルがババーンと出ます。
原題『笑拳怪招』
意味(Deeple翻訳)笑拳の妙技
なるほど、確かにタイトル通りですね。
下に英題があり、『The Fearless Hyena』
意味(Deeple翻訳):恐れを知らぬハイエナ
ダッセェー!Hyenaってハイエナなんだ!
全然強そうじゃないしなんでハイエナなの?
『クレージー・モンキー』は思いっきり邦題なんですね。
直訳すると『狂った猿』(←だとMAD MONKEYになっちゃうかもですが)。おおらかな時代だったんだな、と思いますよね。ま、『スネーキーモンキー 蛇拳』、『ドランクモンキー 酔拳』の流れでつけているんでしょうけどね。
でも個人的にはこのタイトルが合っている思うので良い邦題を付けてもらえてよかったよかった!
あと余談ですが、ジャッキー・チェンの英語表記が“JACKY CHAN”です。
後に“JACKIE CHAN”になります。変わった理由は知りません。
POINT1 ジャッキー初監督作品!
『スネークモンキー 蛇拳』や『ドランクモンキー 酔拳』が大ヒットして満を持しての監督作品!……というものではなかった模様。
70年代後半のジャッキーは映画会社や監督間のゴタゴタに巻き込まれ、流れで監督となった感じだそう。
また、時代的にも俳優から監督へ、であったり俳優と監督との兼任ラッシュな時代だった模様。
コメディ(コミカル)×カンフーの融合が画期的。
流れとしてはサモ・ハン・キンポーやリチャード・ンからの流れみたいですが、イケメンガチアクションコメディカンフーという、新たなジャンルを作ったといっても過言ではないと思います。
POINT2 イケメン
ただただジャッキーがイケメン。髪が長いのもかっこいい。私も伸ばして真似したくなるくらい。それに引き換え、敵ボスのヤムの髪型が悪い意味ですごい。超M字。現実世界で見た事ない。何をモチーフにこういう髪型になったのか元ネタを教えて欲しい。
あとラストバトルのとどめとなる攻撃がひどい。なんと股間パンチ×2回。カンフー関係ねえ!!
POINT3 アクション&筋肉半端ないって!
撮影当時のジャッキーの年齢は24~25歳。筋肉がすごい!“怒”の拳法の説得力がすごいです!この作品はずっと闘ってら、ってくらいカンフーバトルが多いのも魅力です。
80年代中~後期のジャッキー作品が好きな私ですが、このキレッキレのアクションには惚れ惚れとしました。
修行シーンも半端ないです。すごい修行3つを紹介します。
1つめは師匠とのお箸バトル。唐揚げを食べたいロンと食べさせない師匠とのほこ×たてバトル。日本で考えると汚いですけどね。
2つめは壺やお椀を使った修行。バランスよく壺から壺へ渡ったり、お椀や壺を体に載せたり載せられたり。体幹半端ない!あとパズル要素もある修行なので賢くないとできないね。
3つめはただただ修行。木にぶら下がっての腹筋や砂袋?を引っ張るというひたすら修行なだけ。ですが、筋肉すごっ!キレてるキレてる!すごい。
PONT4 パロディのガッカリさ
コメディ要素なのか、誰得?というようなパロディがいくつかあります。まず、ピンクパンサー拳?音楽がピンクパンサーまんまなんですよ。で、付けヒゲ&変顔。似てなくはないんですけど、何の為のパロディなのか全然意味不明。
あと、完全にネタバレしちゃいますけど、ラストシーンが『子連れ狼』パロディなんですよ。なんで!?本当になんで?このラストには公開当時、めっちゃ批判があったらしいです。うん、納得。しかもねラストバトルの緊張が切れて良かったー!ホッ→『子連れ狼』しかも超マジメな表情で。意味わからなくね?で“劇終”(終わり)やからね。“劇終”じゃねーだろ!と言いたくなりました。
おわりに
70~80年代前期のジャッキー・チェンを語る上では外せない作品です。ここからジャッキー監督作品の歴史がはじまった記念となる作品。昔の香港映画って粗さがすごいのも魅力なんですよね。他の〇拳作品も、改めてまた観ていきたくなりました。
参考サイト
1980-90年代の香港映画産業における俳優と監督の境界線–ジャッキー・チェン、ツイ・ハーク、ジョニー・トー
雑賀広
この論文、めっちゃ面白かったです。
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