『夜行』
『夜行』データ / あらすじ
怪談×青春×ファンタジー、かつてない物語
「夜はどこにでも通じているの。世界はつねに夜なのよ」
私たち六人は、
京都で学生時代を過ごした仲間だった。十年前、鞍馬の火祭りを訪れた私たちの前から、
長谷川さんは突然姿を消した。十年ぶりに鞍馬に集まったのは、
おそらく皆、
もう一度彼女に会いたかったからだ。夜が更けるなか、
それぞれが旅先で出会った不思議な体験を語り出す。私たちは全員、
引用元:小学館
岸田道生という画家が描いた「夜行」という絵と出会っていた。
怪談×青春×ファンタジー、かつてない物語。
『夜行』感想
怪談✕青春✕ファンタジー?
怪談→確かに人が失踪しまくるので分かります。
青春→発端は主人公が大学時代なので分かります。
ファンタジー→ファ、ファンタジー?
個人的にはその辺が疑問です。
これってファンタジーなの…か?
どちらかと言うとタイムリープ?タイムスリップ?
ともなんだかニュアンスが違うんですよね。
怪談
不思議な失踪の話を各々が持っていて語ります。
しかし、最後が投げっぱなしで、
その後どうした!?
どうやって今存在しているの!?
と謎が多いです。
この辺がおそらく怪談要素なのだと思います。
せっかく謎が多く、面白いエピソードばかりなので、
個人的には全てにしっかりとした着地点が欲しかったです。
なるほど、こういうことだったのね、
という気持ちが無いまま進んでしまうのがもどかしいです。
表と裏
なるほど、
パラレルワールドも絡んでくるの?
なんだか不思議な体験。
なんですがこの最終章になってからの後出しジャンケン感が
よく理解できませんでした。
銅版画
この作品での一番の収穫が銅版画。
これまで、銅版画という物・アートの存在を知りませんでした。
ちょっと検索して調べてみると、
銅の板に針で線画を書き、
版画のように刷るアートの手法。
なにこれやってみたい!
銅の金型?を飾ってもお洒落な感じになりそう。
子どもが大きくなったら銅版画教室を探して参加してみたいです。
おわりに
私が理解できなかったところが多かったからか、
この作品の魅力を最大限には味わえなかった感があります。
しかし読みやすく、
不思議な物語に引き込まれたのは確かです。
全然似ているわけではないのですが、
恩田陸さんの『三月は深き紅の淵を』を読んだ時の気分に似ていました。
ただ、銅版画の存在を知られたのは本当に良かったです。
また、考察サイト等で他の方の感想も読んでみたいです。
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