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【短編小説】『双生児 ――ある死刑囚が教誨師にうちあけた話――』江戸川乱歩 あらすじ&リアル双生児によるネタバレ感想

【短編小説】 『双生児』 ――ある死刑囚が教誨師にうちあけた話―― 江戸川乱歩 あらすじ& リアル双生児による ネタバレ感想
Haru
Haru

今回ご紹介するのは江戸川乱歩『双生児』です。
私自身が双生児(双子)なので、
双子ならではの視点での感想を書いていきます。

『双生児
――ある死刑囚が教誨師にうちあけた話――』

この記事を書いた人
みての

年間100作品くらい本を読むサラリーマンブロガー
暇があれば書店・古本店へ行く為、読むペースより買う本の方が圧倒的に多い供給過多状態。
それでも本を買うのが至高過ぎて止まりません。
すごい勢いで積読本が増えていきます。誰か助けてください。

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『双生児』あらすじ

その二人の男たちは皮膚の皺の寄り方すら寸分違わなかった…。

双生児として宿命を授かった男が
考えに考え抜いた完全犯罪。

自意識を保ちながら他人に成り変わる快楽。

―女と金と名声の果てに出現した甘美な陥穽とは?

引用元:Amazon

『双生児』ネタバレ感想

ざっくりストーリー

ざっくりストーリーを説明すると、
タイトルの通り、死刑囚が過去の事件を打ち明ける話です。

それが、親からの遺産を相続し、
自分の元彼女と結婚していてまじめな
双子の兄を殺害し、その兄になりすまし、
生活をしていたというもの。

そんな話を、自身の妻(兄の奥さん)に伝えて欲しい、
という話。

リアル双生児の意見

しかし!

まず、動機が不鮮明過ぎる!
もし仮に親からの相続で大きな差があったとしても、
ずっと一緒に育ってきた兄弟ですよ?
本人への怨み無しに殺人なんて起こさなくない?

しかもこの作品の兄はすごく優しいので、
きっと描かれている以外の場面でも弟を救ってくれていたはず。

なのでよっぽど弟がクズだったんじゃない?
双生児だから、とか関係なく殺人を犯すような人間ですよ?
実際、第2の殺人で逮捕されています。
やっぱりそういう人間性なんだ、ということですよね。

双生児をテーマに書いてみたかっただけ?

この暴露自体、ただただ双子をトリックに使った殺人が
バレなかった自慢をしたかっただけなんですよね。
しかも、暴露の矛先って妻(兄の奥さん)なだけで、
読者側に知らせる必要性がないんですよね。
自分の殺人のドラマチックさを説明しているっていうクドさ。

そもそも、元恋人を騙すとか絶対無理ですよ。
恋人・妻って
双子の違いってすぐわかるそうですよ。>妻談
どれだけ似ていても、
兄弟としての違いはやはりあるようです。

どれだけ鈍感だとしても、
徐々に借金だらけになっていく前に違和感出てくるでしょ。
普通気付くって。

おわりに

とりあえず双子でしか成立しない事件を書いてみた、みたいな作品。
ま、当時は双子も少なかったのかもしれませんが。

これからも双子を取り扱う作品があれば読んでみたいと思いました。

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