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【Audible】『ナチュラルボーンチキン』金原ひとみ / あらすじ&感想

【Audible】 『ナチュラルボーンチキン』 金原ひとみ あらすじ&感想
みての
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「ナチュラルボーンチキン」は、金原ひとみが描く45歳一人暮らしの女性の物語。Audible版として日笠陽子のナレーションで魅力的で、リスナーを引き込む作品となっています。仕事と動画、そしてご飯だけのシンプルなルーティン生活を送る主人公・浜野文乃が織りなすドラマに耳を傾けてみませんか?

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『ナチュラルボーンチキン』概要

『ナチュラルボーンチキン』

ナチュラルボーンチキン

Audibleで配信されている「ナチュラルボーンチキン」は、オーディオブックとして楽しめる作品です。日笠陽子の声によって物語が生き生きと語られ、リスナーは耳を通じて主人公の心情や周囲の状況を深く感じ取ることができます。本作は、2024年5月17日に配信開始され、約7時間の聴きごたえある作品となっています。

あらすじ

浜野文乃(はまのあやの)は45歳、一人暮らしの労務課勤務の女性。仕事と動画、そしてご飯というシンプルなルーティン生活を送る彼女には、趣味も友達もなく、それでも満ち足りた毎日を過ごしていました。しかし、ある日、上司の命令で、在宅勤務ばかりで出社しない編集部の平木直理(ひらきなおり)の家に行くことになります。そこで目にしたのは、ホストクラブの高額レシートの束、シャンパングラスに生ハム、そして仕事用のiPadが散らばった散らかった部屋でした。この予想外の出会いが、浜野の平穏な生活に変化をもたらしていきます。

『ナチュラルボーンチキン』ポイント・感想

ポイント

著者:金原ひとみ

金原ひとみは、現代日本文学を代表する作家の一人です。彼女の作品は鋭い観察眼と独自の感性で描かれ、現代社会の複雑な人間関係や心理を深く掘り下げています。「ナチュラルボーンチキン」では、45歳の女性の内面に迫り、日常生活の中に潜むドラマを描き出しています。

ナレーター:日笠陽子

日笠陽子は、多くのアニメやゲームで活躍する人気声優です。彼女の澄んだ声と豊かな表現力は、聴く者の心を捉え、物語にリアリティを与えます。「ナチュラルボーンチキン」では、主人公・浜野文乃の心情や状況を巧みに伝え、リスナーを作品の世界に引き込みます。

感想

価値観の揺さぶり

物語は、編集者が上司から後輩の様子を見に行くよう頼まれるところから始まります。渋々ながらも後輩を訪ねると、彼が自由に遊んでいる姿に衝撃を受け、自分の今までの価値観が揺さぶられることになります。編集者は主人公として、従来の価値観に縛られた生き方をしていますが、後輩の自由奔放な姿に心を動かされます。私も主人公寄りの考え方をしているので、この感覚は非常に共感できます。

自由奔放な後輩の生き方

後輩は、自分が良いと思うものに突き進む姿勢を持ち、まさに自由奔放に生きています。主人公はその姿に羨ましさを感じながらも、同じように楽しむことができるか疑問を持ちます。この感覚、わかりますよね。もっと自由に生きたらいいと言われても、実際にはなかなか難しいものです。Audibleで聴いたアドラー心理学とも通じるところがあるのではないかと感じました。

金原ひとみさんのリアルな描写

金原ひとみさんは、既に成功を収めている作家でありながら、現実的な価値観を持ち続けています。そのリアルさが作品に深みを与えています。彼女が描く理屈っぽい人間像は非常にリアルで、チャラついているように見えて実は繊細で敏感な一面があることが伝わってきます。主人公の編集者は、金原さん自身に近い部分もあるのかもしれません。

音楽との関係性

物語の中で、音楽に乗るという感覚が描かれていますが、私も同じように感じました。友人のライブに行っても、どうしていいかわからないことがあります。はっちゃけるには勇気が必要です。自宅では簡単にはっちゃけることができるのに、ライブハウスでは難しい。これは、私のインドアな性格やルーティン好きな性格が影響しているのかもしれません。人によっては、ライブハウスではっちゃける方が楽という人もいるでしょう。

オーディオブックの魅力

金原ひとみさんがオーディオブックとして書いているので、“聴く”に特化した文章が特徴的です。オーディオブック用の描き下ろしなので、テンポよく進むのが非常に快適でした。そして、朗読を担当した日笠陽子さんのキャスティングが素晴らしい。主人公の無感情感と後輩のハイテンションさとの対比が見事に表現されています。

Audibleのキャスティングには本当に力が入っています。他の作品でも、この作品の朗読者が誰かという点で感動することがあります。例えば、島本理生さんの『ファーストラブ』の朗読を松井玲奈さんが担当しているのは、『よだかの片思い』つながりで嬉しかったです。

おわりに

「ナチュラルボーンチキン」は、金原ひとみの繊細で深い物語を日笠陽子の魅力的なナレーションで楽しむことができるAudible版オリジナル作品です。45歳の一人暮らしの女性が織りなす日常のドラマに耳を傾けながら、自分自身の生活や人間関係についても考えさせられること間違いなしです。ぜひ、Audibleでこの作品を聴いて、新たな発見と感動を味わってみてください。

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