今回はジンクリッチペイントの代表格であり、
常温亜鉛めっき塗料のパイオニア、
ローバルについて調べました。
ローバルとは
会社名であり、塗料の商品名でもあります。
商品名も同じって珍しいですよね。
塗料の種類としてはジンクリッチペイントです。
ローバルは、溶融亜鉛めっきと同等のサビ止め効果が得られる
「常温亜鉛めっき塗料」です。
溶融亜鉛めっきって?
約400度以上の高温で溶かした亜鉛の槽に鋼材を漬け、表面に亜鉛の皮膜をつくる処理のことです。
耐久性に優れ10~50年サビから守ってくれるそうです。
しかし、難点は、専用の設備がある工場でしか処理ができません。
なので、古くなっためっきにもう一度
溶融亜鉛めっきをすることは現実的に考えると厳しいです。
また、普通のサビ止め塗料を塗っても亜鉛めっきほどのさび止め効果がなく、
すぐに錆が出てきてします。
亜鉛は鉄よりも、サビやすい性質を利用して、
鉄をサビから守っています(犠牲防食)。
ローバルの特長
1液型塗料の為、簡単に施工ができます。
上塗り・下塗り不要!
溶融亜鉛めっきと同等の防錆能力があり、長期メンテナンスフリー。
ローバルの用途
めっき層に入らない大きなもの。
古くなった大型の亜鉛めっき構造物に。
めっき処理部材の切断面、溶接部分の補修に。
ローバルの塗装手段
・刷毛・ローラー塗り
・エアスプレー・エアゾール
・エアレススプレー
塗装手段の選定の目安
・面積
・場所
・近隣への飛散
・養生ができるか。
刷毛
ボルトの頭などのピンポントの箇所。
スプレー系
設備が必要。
飛散するので養生が必要。
ただ、刷毛・ローラー塗りと比べ、塗装の効率がとても良いです。
ローバルを塗る時の重要ポイント3点
①素地調整
亜鉛めっき面に塗装する場合は
研磨用たわしで表面の白サビを除去します。
鉄面はブラスト処理、電動工具なでサビをしっかりと除去。
もしサビが少し残っていたら?
→塗れるのは塗れますが、守れません。
→早めにサビが出てしまいます。
②十分な攪拌
亜鉛末が缶の底に沈殿していることがあるので、
撹拌機で充分に撹拌します。
基本的には粘度調整済みなので、シンナー希釈は必要ありません。
シンナーは器具の洗浄に。
また、夏場、暑くて粘度が高くなった場合の調整に。
③膜厚の確保
塗り伸ばさずにたっぷりと塗るのが膜厚をつけるコツです。
2回重ね塗りをして、80ミクロン以上つける。(0.08mm)
ちなみに髪の毛が約100ミクロン(0.1mm)だそうです。
ローバルの種類
基本は下塗りにローバル。
上塗りローバル・ローバルシルバー・ローバルアルファなど。
下塗にローバルを使わないとどうなる?
ローバルシルバーなど、同じものを2回塗りでも膜厚がしっかりと確保できていれば大丈夫です。
ただし、80ミクロンの膜厚がつきにくく、早めにサビが出ることがあります。
また、下塗りローバル→上塗りローバルシルバーだと色味が違うので、
塗り残しが分かりやすいというメリットがあります。
1kg単価で考えるとローバルの方が安くて亜鉛含有率も多く、
サビ止め性能が高い為、下塗りにはローバルを使うことをおすすめします。
ローバルアルファに抗菌・防カビ効果?
亜鉛が溶けて菌・カビをやっつけるので
ローバル・ローバルシルバー・ローバルアルファ、ALMZ(アルムズ)等、
ローバルシリーズにはどれも効果有り。
また、ローバルにコロナウイルスへの不活性化の効果も確認されています。
化粧用塗料
・メッキカバースプレー
・クロムもドキッ!スプレー
・ニュージンクカバースプレー
・マットカバースプレー
ローバル2回塗りの上から塗る見た目の色を合わせる塗料です。
ちなみに、
メッキカバーとクロムもドキッスプレーの違いは?
色はどちらも同じ!
ですが、
メッキカバー…色の変化が本物のめっきに近い。
クロムもドキッ!…色の持ちが良い。
という違いがあります。
ニュージンクカバースプレー、マットカバースプレーは
亜鉛含有率70%なので、2回塗りで使うことも可能です。
ローバルの上から他社の上塗り塗料を使いたい!
そんな場合は、
エポローバルで解決!
さび止め能力はそのままで、弱溶剤塗料に対応しています。
〈推奨塗装仕様〉
エポローバル2回
変性エポキシ下塗り
弱溶剤ウレタン、フッソ上塗り
エポローバルのみで仕上げは可能?
可能です!
なので上塗りするかどうか分からない場合はエポローバルがおすすめです。
ローバルの変わった使い方
モデルガン「ローバル モデルガン」等で検索すると、
面白い使い方が出てきます。
古い車のレストアブームで、
手に入りにくいパーツのメンテナンスに。
バイクのメンテナンスなど。
まとめ
サビ止め効果がとても高い塗料なのに、
1液型塗料で使いやすいのが特徴のローバル。
ご使用の際は、メーカーホームページやカタログの仕様書をよく読み、
正しく使いましょう。
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